ミニトマトの和風マリネとなすのアンチョビ和え
井野好子
一般社団法人日本ソルトマイスター協会代表理事、東日本料理学校協会会員、
料理研究家、食育インストラクター。
1994年より料理研究家・藤野真紀子氏のマキコ・フーズ・ステュディオに入り、
料理部門チーフとして働く。1999年に独立して、料理教室Blanc de Blancs
(ブラン・ドゥ・ブラン)を開く。
著書に「お塩ひとつでシェフの味」(PHP研究所)
「わっ、かんたん!人気のおかず」
「わっ、かんたん!人気のイタリアン」
「わっ、かんたん!人気のひとりごはん」(学習研究社)
「野菜たっぷりのスープとシチュー」(成美堂出版)
「幼稚園に持っていきたい 基本のおべんとう」(新星出版社)など多数。
●マリネ液の塩の役割りと野菜のアク抜き
甘ったるくなくて、酸っぱすぎないマリネとアクを程よく抜いた、食感も残る新感覚の浅漬け
マリネ液で大抵失敗するのは、甘過ぎるか酸っぱすぎるかです。その二つを取りもつのが塩の役割です。塩が適量入る事で甘みを引き出し、砂糖の入れ過ぎにブレーキがかかります。また、塩が適量入る事で、全体の味がきりっと引き締まった味に調いますので、酢の量を入れすぎなくても、ぴたっと味がまとまってきます。
マリネ液に塩を入れないで作るとどんな味になるか、一度試して頂くと、その劇的な変化を感じる事ができると思います。
これは、和食の酢飯の合わせ酢でも、同様の事が言えます。塩を入れて作った方が、甘ったるくない品のある味わいの合わせ酢が出来上がります。
次に、なす等のアクの強い野菜のアク抜きにも塩は、大切な役割を果たします。直接素材に振りかける場合もありますが、なすなどはアクにより変色が生じますので、やや強めの
塩水に切ってすぐ浸します。素材や切り方にもよりますが手て゛ざっと混ぜて10分位おき、水気を軽く絞ります(ここで絞り過ぎると、ただの浅漬けになってしまいます。)
ふんわりだけれども、きゅっです。普通のなすが水なすのような瑞々しいフレッシュな触感へと変わります。ここまで出来れば、あとは好みのお味付けでいのですが、お教室ではワインに合うように、フレッシュなアンチョビ・フィレを隠し味程度にイタリアンパセリのみじん切りとこれもほんの少しの隠し味のお醤油とexv.オリーブ油を使ったお味に。
お酒のおつまみはつい、カロリーの高い物を取りがちですが、お野菜とおいしい塩でこんなおしゃれで簡単なおつまみが出来上がるのです。
タッパー等に入れて、冷蔵庫保存で数日は大丈夫ですので、付け合わせとして常備しておいて頂くのもいいですよ。
(photo by M.Hirabayashi)