Le Musée 石井誠シェフ
2012.06.19
まずは、このアートをご覧いただこう。
この一皿を見た時、協会内の皆が息を飲んだ。
そして、二度、三度と無言で頷く。
感嘆・・そして・・興奮と感動。
新たな「ソルトマイスター」が誕生した瞬間であった。
しかしながら、こちらの興奮とは裏腹に、この作品には凜とした空気感を漂わながら・・・輝いている・・・
「寒ブリ:多彩な要素を散りばめて・・・」
この作品の名前である・・。
哲学
「ル・ミュゼの特徴は料理哲学にあります。ジャンルの枠を越えて、この土地、今の季節、今の自分を皿に描く・・・何処までも自然なものを美しく、純粋に素材で描写する・・そして、オリジナリティーの追求こそがル・ミュゼの在り方だと思います・・」
ル・ミュゼの料理について石井誠シェフは
こう語る。
この作品に使われているのは
「函館 熊石の塩」
単に混じってしまう塩とは違う、その独特な独立感。
フレーク状で口溶けが良くピラミッド型の結晶・・
熟成させた香りのある寒ブリにはミネラル豊富な
この地元の塩が魚のポテンシャルを最大限に引き出すと
いう。
デザートにも「塩」をする事が多い。
ー「塩はマルドン・・・中庸で食感が軽いので・・」
キャラメル・・ショコラ・・・塩で甘みの輪郭を描く・・。
「ひとかけら」の「塩のフレーク」で素材の甘味が一気に
引き出される・・・
全てはナチュラルな自然の味わい・・「甘さ」を引き出すための「塩」なのだ。
食とアートの共存
ル・ミュゼとは「美術館」という意味があるそうだ。
なるほど、その外観はまさに美術館そのものであるし、
ひとたびホームページに目を移せば、そこには石井シェフの生み出した現代美術といもいえるアートと言葉で溢れている。
ル・ミュゼのコンセプトは食とアートの共存。
「北海道の自然とそこで生まれた食材をモチーフに多彩な表現力で風景を描く・・・
海、森、畑、砂浜、流木、小枝、紅葉、枯れ葉、流氷、雪解け、朝露、降り積もった雪、氷付いた湖面・・・
そうした、北海道のありふれた自然を料理というフィルターを通し、皿の上に再現しております。
北海道の自然の持つ繊細さを生かした透明感のある料理。
それは、何処までも自然であり純粋な味わいを重ねた料理です。
店名であるル・ミュゼ(美術館)の意味合いとは、我々が表現するアート(料理)を表現する空間を意味しており、そのアートとは、まさに自然そのものを示し、
そこで生き、生きるための表現、存在自体がアートである」・・と。(HPより抜粋)
あなたも北の哲人のアートに触れてみてはいかがだろうか。
石井誠シェフ:プロフィール
1973年9月14日生まれ。岩見沢出身。
宮島学園北海道調理師専門学校卒業後、
19歳:札幌プリンスホテルに入社。
22歳:単身渡欧し、フランス、イタリア、スペインに訪れる。
24歳、1998年、エノテカ札幌のシェフに就任。
28歳、2002年札幌中央区にル・フェスタン・デュ・ノールをオープン(エノテカ)
31歳、2005年に独立し、ル・ミュゼをオープン。
(株)ミュゼを設立し、代表として経営者としても多岐に渡り活動をする。
37歳、2011年、ル・ミュゼは全面改装工事をし、それまでの3倍規模のレストランに拡張。新規プロジェクト、ル・ミュゼ・ウエディングをスタートさせ、2階部分、プライヴェート・スペースにガストロノミーレストランとして、新たなブランド
【イデア】も同時オープンさせる。
38歳、2012年、ミシュラン北海道2012年で一ッ星を獲得。
その料理観は、一貫して北海道の土地を表現すること。
既成概念に囚われることなく、自由で、美しく、創造的な料理を日々創り続けている。
〒064-0951
北海道札幌市中央区宮の森1条14丁目3-20
tel:011-640-6955
fax:011-640-6663
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月曜定休
category: 今、輝くソルトマイスター